なぜ、死後離婚が増加?
法務省の戸籍統計によると、「死後離婚」の件数は増加傾向にあります。特に、2012年には2213件だったものが、2022年には3000件を突破し、約1.5倍に増加しています。
増加の背景としては、以下のような理由があると考えられます。
・夫の死後、舅姑とは暮らしたくない
・義理の兄弟姉妹との縁を切りたい
姻族関係終了届を提出することで、姻族との関係を法的に解消できます。
当事務所では、姻族関係終了届の作成や提出をサポートいたします。
以下にて死後離婚(姻族関係終了届)について解説します。
死後離婚とは?
「死後離婚」とは、姻族関係終了届を市町村長に届出をすることによって、自分と亡くなった配偶者の血族(血縁者)との姻族関係を終了させることをいいます。
「死後離婚」という言葉からは、あたかも配偶者の死後に、自分と配偶者とを離婚させるものであるかのようなイメージを受けますが、離婚は、夫婦がともに生存している間にしか行えないため、配偶者が亡くなってから自分と配偶者を離婚させることはできません。「死後離婚」とは、あくまで自分と亡くなった配偶者の血族との姻族関係を終了させるものです。
配偶者が亡くなったとしても、自分と亡くなった配偶者の血族との姻族関係は自動的に終了することはありません。そのため、亡くなった配偶者の両親や夫の兄弟姉妹との姻族関係を終了させたいと考えた場合、市町村町等にその旨の届出をする必要があります。
死後離婚のメリット
- 夫の血族に対し扶養義務を負うことがなくなる
家庭裁判所は、特別の事情があるときは、三親等内の親族に扶養義務を負わせることができます。しかし、夫の血族との親族関係が終了することにより、夫の血族(義両親など)に対する扶養義務を負うことがなくなります。
- 祭祀承継者にならずにすむ
配偶者の父親から祖先の祭祀主催者として祭祀財産を承継していた場合、姻族関係を終了することで祭祀の主催者の地位を失い、新たに祭祀を承継する者を定めることになります。すなわち配偶者の祖先の祭祀主催者をやめることができます。
ただし、姻族関係終了の届出をしても、配偶者の祭祀の主宰者の地位は失いません。東京高裁昭和62年10月8日判決は、姻族関係終了の意思表示をした妻を夫の祭祀を主宰する者と認める旨の判断をしました。
相続と遺族年金への影響は?
- 相続放棄の効果はない。
死後離婚」とは、一般に自分と亡くなった配偶者の血族との姻族関係を終了させることをいいます。自分と亡くなった配偶者との関係には影響を与えないため、亡くなった配偶者の財産はそのまま相続することができます。
子どもと配偶者の血族との間の親族関係に影響しない。
- 遺族年金は変わらず受給できる
「死後離婚」は、自分と亡くなった配偶者との関係には影響を与えません。そのため、遺族年金等もそのまま受給することができます。
姻族関係終了届の注意点
- 子どもと配偶者親族の関係に影響しない。
死後離婚によって関係が断ち切れるのは、残された配偶者と亡くなった配偶者の血族との関係のみです。亡くなった配偶者との間に子どもがいる場合には、子どもと亡くなった配偶者の親族との血縁関係は続きます。
- 復氏の効果はない。
配偶者の一方が亡くなった場合、残された配偶者は、届出をすることによって、婚姻前の元の氏(名字)に戻すことができます(これを「復氏」といいます)。
「死後離婚」をすることなく、元の氏に戻ることもできますし、「死後離婚」をしたからといって元の氏に戻さなければならない、ということもありません。
- 撤回できない。姻族関係終了届を一度提出してしまうと取り消すことはできません。
死後離婚の手続きサポートの流れ
当事務所では、姻族関係終了届の作成や提出をサポートいたします。
必要書類の準備:
- 姻族関係終了届
- 戸籍謄本(全部事項証明書)(本籍地以外で手続きする場合)
- 届出人の印鑑
- 本人確認書類(運転免許証など)
提出
本籍地または住所地の市区町村役場に、必要書類を提出します。
手続き完了
提出が受理されると、戸籍に「姻族関係終了」と記載されます。
